最近よく聴いているその2

alansmithee[通常盤]

alansmithee[通常盤]


1年近くもあっちこっちのCDショップやら中古ショップやらもちろんAmazonもオークションも、いろいろ探し回ったんですけど、どうもタイミング悪く見つけられなくて。それが、ついこないだなんの気もなくAmazonで検索かけてみたところ、いつ見てもプレミア価格のついたマーケットプレイスの商品しか表示されてなかったのが、「在庫あり」になってるんだよ! どういうわけか! 1点だけ!! 朝っぱら(出勤前に化粧しながらですよ、ええ)からぎゃあと叫んで、即刻ポチったことは言うまでもありません。




“ナタリー”に尽きる。もうほんと、これ聴いてなんも感じない人、血がざわつかない人、熱くならない人。ロック聴いちゃ駄目だと思う。「幸い僕らには不満がある」…やられた。これ以上完璧に、的確に「少年」という生き物を表したフレーズはない。で、ロックってのはそういう少年の、少年による、少年のための音楽であったはず。そんな青臭いことを、真顔で口走りたくなる。


ゴッドさんと、サウンド的にはそんなにかわらない、というかまあ原型みたいな感じなんだけど、Vo.が違うというだけでなんだか受ける印象がぜんぜん違うんだなあ。やり場のない鬱屈を抱えてくすぶってる、けれども自分じゃそれをどうしていいのかわからない、そんな「少年」を表すのに、大佑くんの声や歌い方があまりにもぴったりすぎる。わたしは正直、大佑くんの声ってたいへんに苦手で、蜉蝣はまったく通ってないし、そういえばthe studs自体も始動直後にフライヤー見て(たしかTHE BIRTHDAYのライヴにしょっちゅう行ってたころに、ロゴスでもらったんだよなー。1番最初の「the studs」のジャケットと同じデザインのフライヤーで、あーセンスいいなーと思った記憶が)(最初はやっぱり、そっち系のバンドのライヴに行ってる人たちにも間口を広げたかったんだろう。V系じゃなくって)、気にはなってたものの“thursday”であっさり撃沈して(苦笑)。
なんだけど、このアルバムに限って言えば、彼のアクの強さがまったく気にならない(まあ、彼の歌唱技術が上がったというのも単純にあるんだろうけど笑)。むしろ、この声じゃないと、このアルバム自体が成り立たないんじゃないかとさえ思える。尖ってるのに、繊細。しかも、長年フロントマンやってた人ならではの、色気と華がある。だから、ゴッドさんとやってることたいして変わらないのに、ものすごくキャッチーに聴こえるんだよねえ。


このアルバムを、2009年にリアルタイムで知ることができなかった。というか知ろうという努力をしてなかった。もう、ホント何やってたんだ、わたし。今さらどんなに悔やんでみたところで、the studsはもうないし、2度とふたたび聴くことはできないわけで。その事実を、喉にひっかかった魚の小骨みたいに、わたしはこれからずっと引きずっていかなきゃいけないんだろうな。