これが恋のめがらばというやつなのか（たぶん違う）

この数日というもの、脳内を絶え間なくロッキンルーラとなにができるかなと当たり前よねェ〜♪がぐるぐるぐるぐるまわり回って、そのうち溶けてバターになっちゃうんじゃないかという勢いなのですが、どうしたものでしょうか。ていうか、何故今、このタイミングで。まったくもって不可解。往年のヘッドバンキング癖がたたって、おそらく同年代女子と比較しても脳細胞の壊れぶりは進行早いと思われる私ですが、その破壊された脳みその片隅にこびりついた記憶を無理やり掘り起こしてみるに、ええと確か数年前に１度モーサムのライヴ見てるんですよ。といっても、イベントの前座かなんかでしかも遅刻していったから、２〜３曲くらいだったと思うのですが。メインはバンプとくるりで、バンプが『Jupiter』を出した次の年の冬だったような気が。同郷のバンドのくせしてワタクシその時点で彼らのことはまったく知らず、「え、モーサム…なに？　なんてバンド？」てな感じで、ステージ自体も特に印象は残ってないのですが、“未来は今”をやったことだけは覚えています。サビのあたりがなんとなく記憶にあります。でも、脳内で再生されるその曲はたぶん実際の曲とまるで違うことになっているであろうという自信もあります（笑）。で、それ以降とりあえず名前だけは知ってるんだがレベルでなんの問題もなく数年を過ごしていたわけですが、それが何で『SUPER NICE』が発売されたときに、あ、このアルバム聴きたい、と思ったのか、そもそもそれが不思議でしょうがない。どっかで収録シングルを聞きかじった、とかそんなんでもまったくないんだけど、んー、発売前後のスヌーザーのインタビューで、えらく絶賛されてたからかなあ。しかしワタクシ、普段スヌーザーなんて滅多に手にもとらないのに、なんでその時だけわざわざ本屋で立ち読みなんかしたんだろう。しかもモーサムの記事だけピンポイントで。これがあれですか、バンドに呼ばれるというやつですか。と、ここで首尾よく『SUPER NICE』を聴いた私が、うわわわわなんだこりゃかっけーじゃねーかと一気に脳味噌沸点越えして旧譜集めまくりーのネットで情報集めまくりーの雑誌読みまくりーの、勢いあまってライヴにも突撃！　となったのであれば美しくオチがつくのですが、そうでもなかったりするから話はややこしくなるのだ（笑）。や、おおこれかっこいいじゃんとは思ったし、けっこう気に入ってアルバム自体はちょくちょく聴いてたのですが、そこからさらに深みにハマるというところまではいかなかったのですな。その時点では。
とは言いつつ、そこからさらに数ヶ月を経て、たまたま中古屋で『Rock'n Luuuuｌa』を見かけて思わず手にとってしまった、ということは、やっぱりどっかにその存在が、引っかかるようになっていたということなのでしょうねえ。いやはやホントにこれは、それこそあれですよ鼓膜を突き破って脳天直下ですよ。この“ロッキンルーラ”という曲はあらゆる面で私のツボを撃ち抜いてくれちゃいました。まずタイトルがいいよね、ロッキンルーラ。なんというか、発語の快感を呼び起こす単語（笑）。意味はないけどなんかキャッチー。忘れられない。曲もかっこいい。ポップ、というよりキャッチー。それこそなんというのかなあ、掴まれる感じ。上手く言葉にできないのがもどかしいのですが、歌メﾛという「線」ではなくって、もっとこう、３ピースの楽器＋声が、全部がっしりと組み合わさって出来上がる「面」が、丸ごとポップ、というか。えーと、まあ、あのなんだ。ぶっちゃけ“Jumpin' Jack Flash”なんだけどな！（笑）（実もフタもねえ）いいのいいの、かっこよきゃいーんだ。で、続く“RED GUITAR C'mon”に“ビートルバーナー”という怒涛の流れで、全面降伏です。勝手に体が動いてるんだもん、どうしようもない。“トカゲ”もヤバい。イントロのリフだけで３回死んだ。ぜえぜえはあはあ。
…て、今挙げた曲全部百々さんの作曲じゃないか。クレジット見ながら聴くと、ホントにあからさまなまでに作風が三者三様で実に面白い。藤田さんの曲も武井さんの曲もそれぞれ違ったかっこよさがあって好きなのですが、百々さんの曲は、１番わかりやすくストレートかな、と。『Rockin' Luuuula』は、百々さん色がかなり強いアルバムらしいですが、ああだからアルバム全体に、すごくぱっきりとした統一感があるのね。『SUPER NICE』はまたぜんぜん違う、どっか１本ネジが外れたまんまで四方八方に広がってってるような、出鱈目な疾走感があって、これもまたかっこいい。“TIGER”なんて、これ何をどうやったらこんな曲になるんだろう。なんでしょう、とりたてて目新しいことをやってるわけでもないのに、ものすごく新鮮な感じを受けるというのは、不思議なことです。いやあほんと、何で今まで私ちゃんとモーサム聴いてなかったんだろうなあもったいないことしたなあ。しかも、なんとも言いがたくこの微妙に外したタイミングが、今さら感を増幅させるなあ（苦笑）。とりあえず、今はこの２枚を気の済むまで脳内オールリピートで堪能したいと思いますが、昔のアルバムも、ぼちぼちそろえていきたいです。あとライヴ。あー、なんか楽しみが増えたわ。ふふふ。