真夏の夜の戯言

本腰入れてロックを聴き始めた若かりし頃には、たいしてよく思えなかったものが、最近になって急にとてつもなくかっこよく聴こえるようになった、というケースがけっこうあって、たとえば、


エッセンシャル・クラッシュ・プラス(DVD付)

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これとか、


Marquee Moon (Dig)

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これとか。


とにかく昔は、音がスカスカなのは罪悪であると思っていて(笑)、分厚ければ分厚いほど、重ねてれば重ねてるほどそれがかっこよいのだと信じてやまない、そんな時期もありました。ベスト盤くらいは持っとこうかととりあえず買ってみたはいいけれど、ほとんど聴かずにラックの奥にしまいこんでいたクラッシュだったのですが、あーどうせ聴かないんならもう売っちゃおう、と。でもせっかくだから、PCに取り込んどくか、と。で、何の気なしにWMPを立ち上げて、取り込みついでに再生してみたわけだ。そしたらアナタどうよ、ものすごくかっこいいじゃないの。えええ何コレこんなにかっこいいのかクラッシュって!! と腰を抜かしたわけよ。ちなみに去年の話です。おまえいくつだ。ふつう10代のうちに洗礼受けとくもんじゃないのか、こういう音楽には(失笑)。
『MARQUEE MOON』はハタチそこそこくらいの時だったかに買って、やっぱりずっと長い間ほっぽり出していたアルバム。ただ、これについては少々例外というか、ワタクシ何回か聴いてみてあんまりピンとこないCDというのはわりとさっさと売っ払うタイプなのです。が、これだけはなぜか手放す気にならなかったというか、手放しちゃいけないような気がしてたというか、なんとなく。そんなこんなで聴きもしないくせに10年の余もラックの隅でひっそりとホコリをかぶっていたのですが、数年前かな、なぜか、本当になぜか突然、あ、『MARQUEE MOON』聴きたい、とふと思ったのですな。で、引っ張り出してきて、聴いて、アタマかきむしりながらのた打ち回るわけだ。こんなかっこよいロックを今の今までガン無視していた私はアホか!! と。えーと、このアルバム、NYパンクの元祖、みたいな言われ方してるおかげでうっかり間違って血気盛んな若者が買ってしまって、こんなの全然パンクじゃねえ!! と憤慨する確率が非常に高いと思われるのですよ、現に私がそうだしw なのですが、もしアナタに、自分はファッションでなく音楽を聴いているんだ!という自負があるなら、今はピンとこなくても、何年かたってからもう1度聴いてみるといい。きっと、まるで違って聴こえてくると思うから。


Daydream Nation

Daydream Nation


まあ、基本的に私はUS音痴ではあるんですが、それにしたって今ごろこのアルバムのかっこよさに気づいてシビレまくって踊りまくってるというのは、いくらなんでも音痴にもほどがある!_| ̄|○
ところで、最近の若手邦楽ギター・ロックバンドのサウンドって、ものすごくこのアルバムの質感に似てるなーとこれ聴いててつくづく思うのですが、それって要は、ナンバーガールがかつていかにソニック・ユースピクシーズの影響受けまくってたかということですよねえ。“OMOIDE IN MY HEAD”なんて、どこをどうやっても“Teenage Riot”ですもん。って、今さらか。