DER ZIBET@その1

alter-m-nn様のこちらの記事にてDER ZIBET復活LIVEの顛末を知り、『1日1枚デルジのアルバムを聴こう』祭り絶賛開催中なのであります。


リアル・アトランタ世代(笑)の私にとっての王子といえば、今も昔もBUCK-TICK櫻井敦司*1だったりするわけですが(真顔)、そんな我々世代よりもう少し上の、そうですねリアル・ドーハ世代?(笑笑)くらいのお姉さまたちのための、彼らはバンドであったかと。
だから、私も微妙に後追い(最後のBMG時代はリアルタイムで体験できたけど)。あっちゃんさんが、実は熱烈なるISSAY信者であることを公に触れ回って、暗黒版“銀座の恋の物語”(=デュエット)を実現させてしまった、91年発売の『思春期I』あたりが、たぶん彼らの存在を知った最初のきっかけだ。実際に音を聴いたのは、もうちょい後だったけど。

『思春期I〜UPPER SIDE』
1.VICTORIA
2.月の炎
3.SWING IN HEAVEN
4.からっぽの叫び声
5.七番目の天使
6.WINTER WALTZ II
7.SEASON

『思春期II〜DOWNER SIDE』
1.チョコレート ドリーム
2.WINTER WALTZ
3.4-D Visionのらせん階段(←今井寿参加曲)
4.水の中の子守唄
5.雨あがりの日曜
6.マスカレード(←櫻井敦司参加曲)
7.Good-bye Friend
8.水の中の子守唄-Reprise-

発売当時は、『I』『II』の分売だったが、私が持っているのは、94年に2in1で再発された盤。
『I』は彼らお得意の轟音バンドサウンド、『II』はアコースティック主体の静謐なサイケデリックサウンドを中心に収録。青臭さ満載の切なさ爆弾みたいな『I』、透明な水がさらさらと流れていくような澄明な美しさをたたえた『II』、どちらも素敵だ。


でも、たぶん、最初に買ったアルバムはこっち。

『HOMO DEMENS』
1.深海魚
2.TOUGH
3.灯りを消して
4.サイコ リザード
5.SUMMER DAYS
6.火をつけてくれ
7.GHOST CITY COWBOY
8.HELLO,I LOVE YOU
9.HOMO DEMENS
10.FADE AWAY
11.パレード
12.木霊-ECHO

90年初出、だったかな。持ってるのはやはり94年の再発盤。
今思い返すに、彼らの存在を知ったのはこのアルバムが発売された直後の、AREENA37℃のISSAYインタビューだったかもしれない(笑)。白黒見開き2Pで、エクステまみれのISSAYがうつむきがちで写ってる写真が、うすらぼんやりと記憶に残ってる。
このアルバムはデルジの所有アルバムの中では1番好きで、今でも年に2〜3回は必ず聴きかえすのだが、とにかく重ねに重ねまくったわっしょい轟音ギターサウンドがかっこよすぎ。アリの這い出る隙間もないほど緻密に組み立てられつつも、決して勢いは失っていないバンド・アンサンブル。ISSAYのヴォーカルは、その音の渦の中を軽やかにすり抜けていくがごとくフリーダム。実にくっきりハッキリとした、ポップな歌メロなのだが、いい意味で歌謡曲っぽい耳触りは残しつつも、ぎりぎり臭くはなってない*2
…実は今コレを書きつつ、上記のソニック・ユースのアルバムを聴いてたりするわけだがw、『Goo』とこのアルバム、同じ90年発売なのか。そう考えると、やはり今聴くと、時代を感じずにはいられない面は確かにあるな。なんつーかこう、ああバブルやな、と(笑)。それでもこの異常なほどのテンションの高さには、有無を言わさぬ説得力がある。1〜4にかけてのアガリっぷりはたまらん。そして、5の“SUMMER DAYS”。ひりつく陽射しに草いきれ、立ち上るかげろう。“終わらない夏やすみ”という言葉が、この曲を聴くたびにいつも頭をよぎる。夏やすみは、必ず終わりがくるから楽しいのであって、永遠に終わらない夏休みの中にとどまり続けることは、どんなにかおそろしく、こころぼそく、世界から取り残されたような気になるものなのだろうかと思うのだ。ドアーズの“HELLO、I LOVE YOU”のカヴァーも、とてもハマっている。



というわけで、この項しばらく続きます(笑)。

*1:で、YOSHIKIさんが姫←大真面目

*2:というあたりは、ウイラードとも通じるものがあるような