THE RODEO CARBURETTOR/KINGDOM

ちょっと前に『God Of Hell』を聴いた時にも感じたことなのだが、なんというかこのバンド、私にとってはひじょーにつかみどころがない。イントロ一発、リフ一発シャウト一発で、キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!となる感じではなく、かといってじっくりじわじわと音や声や唄が、皮膚からじんわり体にしみこんでくるスルメバンドって気もしない。いや、かっこいいとは思う。ホントに心底思う。のだけど、諸手を上げて我を忘れてくるくる踊りたくなる、というのはない(笑)。スイッチが入らない。何かがびみょーに、自分のツボから外れているのだ。
しかしだ。気になるんである。なんとなく目が離せなくなってしまう〝何か〟というのは、確実に持っているバンドだ。だから私は、『God Of Hell』を手に入れたはいいもののそれほど熱心に聴き込むわけではなく、過去音源を血眼で漁ることもせず、でもちゃんとこうやってNEWアルバムを入手して聴いている。『音楽と人』の鍛治毅インタビューも、うっかり立ち読みしてしまったぜ(笑)。
今はまだ、私のかゆいところを完全に掻いてくれるバンドではない、けれどもごくごく近い将来、ぴったりとかゆいところに手の届く音を聴かせてくれるかもしれない。そういう期待を、抱かせてくれるバンドであることはどうやら間違いなさそうだ。6月のBe-1ライヴ、行ってみようかと思い始めている私がいます(笑)。このバンドは、たぶんライヴに行かなきゃ実像はつかめない。


Kingdom

Kingdom


…1曲目には、実は一瞬キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!になりかけたんだけどなあ(笑)、あのカラッとした突き抜けっぷり。ん、それは要するにメジャーコードの曲だったからか? 私がメジャーコードを、必要以上に偏愛する性癖があるからか? 〝Tonight〟〝WRITE〟なんかも好きだ、すこしクールダウンしたテンポでメロディが際立つ感じ。今はまだ、爆音とメロディのバランスに折り合いがつけられてない気がするけど(で、むしろそのバランスの悪さというかふたつのことに同時に目配りできない不器用さ、は彼らの魅力のひとつでもあろうが)、きっと鍛治さんは本来すごくいいメロディを書ける人なんではないかと思うんだ。


ミッシェルやブランキーに似てるって言われることが多いみたいで、それは本人たち的にも相当不本意なことのようだけど、ブランキーは知らんが(実はちゃんと聴いたことがない)、ミッシェルに関しちゃ似てるとは思わんのだけどなあ*1。知らない人に、どんな音なのかと尋ねられて、説明するのが面倒なときに(笑)、「んーミッシェルとかブランキーとか、ああいうの好きな人は好きそうな感じ」と大ざっぱに答えてしまって済ませられそうな、そういう雰囲気は確かにあるかもだ。が、それと実際に音が似てんのかどうかっつうのは、別の話だよね。少なくともミッシェルほどルーツがハッキリ見える音ではないし、バンド全体が持ってる固有のグルーヴ?みたいなのも、全然違うと思った。もっとこう、よくも悪くもスクエアというか、生硬な感じがするんだな。
ああでも、詞のはしばしからうかがえる鍛治毅のMっぽさげふげふ、はちょっとチバっぽいと言って言えないこともない(笑)。ベンさんは違う。ベンさんはドS(笑)。

*1:ていうか、ミッシェルとブランキーも全然似てないと思うので、いつの頃からか同じくくりで語られるのが当たり前になってしまっているのは驚きというかなんというか。