極東 I LOVE YOU

BUCK-TICKの名前を知ったのは、今井ちゃんがやむにやまれぬ事情で(笑)表舞台から消えた一件で、初めて音を聴いたのがシングルの〝悪の華〟。
以来16年間、途切れることなくずっと好きなアーティストなのですが、いわゆる『本命』バンドではなくって、常に2番手3番手。
でも、だからこそ細く長く、ずっと好きでい続けられてるのかもしれない。



極東I LOVE YOU

極東I LOVE YOU

個人的に1番好きなBUCK-TICKのアルバム、というと、これ。
メロディが綺麗なのと、比較的明るくて外向きな開放感があるので、聴いてて疲れないのですよ。
いわゆるBUCK-TICKっぽさというか、暗鬱さとか重厚さとかはあんまりないので、『Six/Nine』とか、『十三階は月光』あたりが好きな方には物足りないかもしれませんが。
BUCK-TICK、というかあっちゃんの、鬱屈した世界観とか暗黒の美意識とかには、すごく魅力を感じるんだけど、それをあまりにもむき出しにされると、ポップミュージックとしてはいろいろツラくなる。
このアルバムとか、いっこ前の『ONE LIFE,ONE DEATH』あたりは、そういうあっちゃんの世界観を核にしながらも、上手くオブラートにくるんで飲み下しやすくしている…と思うんだけど、どうだろう。
ちなみに私の部屋には、いまだにこのアルバムのポスターが貼ってあります(笑)




〝疾風のブレードランナー〟の詞をみて、こんな前向きで希望にあふれた歌詞を俺は歌えるんだろうか、とあっちゃんが悩んだ、みたいなエピソードを、発売当時のどっかのインタビューで話していたような気がするんですが、どうだったかしら。
いやいや、その歪さこそが、いかにもBUCK-TICKらしくていいのではないの。
ついでにいうと、

Baby Maybe 共に青い春を駆け抜けよう
Baby Maybe 思うまま 叶うはず

なんて歌詞を、あの頬のたるみきった上に死んだ魚みたいな目をした(笑)、不健康を絵に描いたような当時37歳のオッサン*1が書いてる、っていうのも、なかなか倒錯していてよろしいではありませんか。



WARP DAY〟の、淡々と狂っている感じというのが、たまらなく好きなのです。



あと、アルバムには入らなかったけど、〝薔薇色の日々〟がとても好き。
またライヴでやって欲しいなあ。

*1:今井ちゃんのことです、念のため