そもそも

WILLARDのことは、もちろん存在は知っていたけれど、どうもそれまで聴く機会がなく。
おそらくですね、10代のころに興味本位で聴いてみたラフィン・ノーズが、あんまりソリに合わなかったのが原因かと。
なんて、ラフィンのせいみたいな言い草で申し訳ないのですが、要は〝インディーズ御三家〟なんてひとくくりにされてて、しかもパンクカテゴリに入れられてたから、勝手にああいう音なんだろうと私が思い込んでただけのことです。
あっちゃんが、一時期やたらとISSAYさんを神輿に担いでいて、それでDER ZIBETは好きになったのですが、そういうのがあればもうちょっと早くに音聴いてみる気になったかもだけど。
某K春氏は嫌いだったしなあ(苦笑)。



なので、直接のきっかけになったのは、この本。


音楽誌が書かないJポップ批評 (33) バンドブームクロニクル1985-1987

音楽誌が書かないJポップ批評 (33) バンドブームクロニクル1985-1987


けっこうWILLARDについてもページが割かれていて、バンド紹介だのCDレビューだの、JUN先生語録だのいろいろ載ってるわけですが、なかでも、

『海賊+パンクでトータルコーディネートされたファッションと、スケール感にあふれたサウンド、その組み合わせによって醸し出されるストイックなゴシック的世界観。』


『(前略)ウィラードは「自分たちの音楽で何を表現するのか/したいのか」ということに、かなり自覚的に取り組んでいたように思う。当時のインタビューでも、リーダーのJUNはしきりに「ああいうことをしたい」「こういうこと見せたい」というヴィジョンを語っている。(中略)おそらくそれだけ確固たる〝世界観〟を持っていた、ということなのだろう。』


このへんの件で、アンテナが何かを受信してしまったわけだ。それと、同じページに載ってたアーティスト写真。
これは私は絶対に、何が何でも聴かなければならないバンドだ、と。
この時点で、テイチク廉価の『GOOD EVENING〜』も廃盤でしたから、そこから私の長い長い中古CD屋巡りの旅が始まるのですが(オークションという発想はなかった)、本当に見事なまでに、1度として店頭で見かけたことはなかったなあ。まあ、オクであれだけプレミアつくような事態に陥ってたなんて、全然知らなかったからな。
なので、運命の2月17日(笑)、何の前触れもなく、いきなりウルトラヴァイヴ盤を目の前にしたときの驚きといったら、アナタ。
冗談でなく、息の根止まるかと思ったもん。



年齢的には、私はぜんぜんリアルタイムでファンだといってもおかしくない世代なので、やっぱりもうちょっと早くに聴いておけばよかったのにという後悔の念は、いまだにぬぐえなかったり。
でも、もし高校時代、それこそリアルタイムで『Reptile House』聴いてたとしても、XだのBUCK-TICKだのに夢中で、やっと少々洋楽聴きかじるようになったばかりの小娘が、今と同じくらいの熱量でもってWILLARDにハマり込めたかというと、そいつははなはだアヤシイので(苦笑)、まあこのタイミングで間違ってはなかったんだとは思います。というか、そうやって自分を納得させている。
ちなみに、WILLARDの存在を知ったのは、それこそ『Reptile〜』か、赤ジャケリリース前後のROCKIN'ON JAPANの、佐藤健氏の〝小言じじい〟のコーナーだったっけ(笑)。
白塗りに革の上下で、ハーレーにまたがるJUN先生の写真を、なんでかいまだに覚えてるですよ。よっぽどインパクトあったのでしょう。
目回り真っ黒だったから、赤ジャケのころのような気がする。