NIGHT LINE

NIGHT LINE(初回限定盤)(DVD付)

NIGHT LINE(初回限定盤)(DVD付)

NIGHT LINE(初回限定盤CD付)

NIGHT LINE(初回限定盤CD付)

アルバムと同じタイミングで録ってたそうなんだけど、結局アルバムには入らなくて、その理由はなんかわかる。この1曲だけでキャラ立ちしているというか(笑)、『Rollers Romantics』の何曲目にいれたらしっくりくるのか読めなくないですかこれ。どこに入れても浮きそうな感じ。
なんというのかなあ、『Rollers〜』の曲とは、テンポ感がすこし違う。速いのですよ。実際のテンポっつーより、体感スピードが。GyaOで初めてPVフル視聴したとき、2分ちょいくらいかと思ったのね実際は4分10秒なんですが。微妙にうねるみたいなコードチェンジが、小波のように重なって、細かく表情が変わっていって、構成もA→B→サビ、という単純なやつじゃなくって、あっちいったりこっちいったりフラフラしながらそれでも突っ走っていって、最後の最後でぱあっと視界が開けた感じで大サビ。そのままふっと、闇の中に消えてくみたいに終わる。シンプルだけど、勢い一発じゃなくってすごく丁寧に作ってる。で、楽器がとても透き通った音で鳴ってるのです。濁りのない音が、鼓膜をすっと冷たく通り抜けていくような。耳が洗われるR&R、ってなんのこっちゃな言い草ですが、でもホントそんな感じがしたなあ。
ていうか、冷静ぶってこんなん書いてますけど最初に聴いた時にはひゃあああどーしよどーしよヤバいよこれかっこいいよー、とリアルで手足をじたばたさせながら、部屋の中を転がりまわっておりました。あほですあほがいます。それくらいツボまっしぐらだったのですよ。ああこういうの、今のチバっつーかBirthdayで聴いてみたいなーと思ってたそのまんまの音で。歌詞もすごく好き。チバが一人称に〝僕〟を使う歌詞は、おおむね好みなのですが。ちなみに夜中に部屋真っ暗にして、窓開けて冷たい空気入れながらヘッドホンで聴くと、いい具合にトリップできます。ほんとは車かバイクの夜のクルージングのお供にするのが、1番ハマると思うんだけど。


長くなりそうなので、その他の曲については畳む。



実はBirthdayは、ミディアム〜スロウナンバーがかなり好きで、ひょっとしたら8ビートのファストナンバーよりも好きかもしれんというくらいでたとえば〝ハレルヤ〟とか〝春雷〟とか。ふっつーに一晩中リピートしてたりする(笑)。昔っからバラードだのスロウナンバーだのが基本的にはよほどのことがない限りあまり好きになったりしない私にしては、これは大変画期的なことなのですが、何でかなあと考えたときにあんまり長さを感じさせないのですなBirthdayの長尺曲って。じーっと聴き入ってるうちに、いつの間にか終わってる。それだけ、集中を促す曲であり演奏であり、ということでしょう。あと、リズムがだれないというのか。ゆっくりの曲でもテンポはいいというのか。
で、〝SILENT DAYS〟に〝THIRD IMPACT〟もまさにそういう感じで、音の行方に耳をすませているうちにあっという間に時間がすぎて、あれもう終わった?と。〝SILENT DAYS〟のちょっとブルージーな感じは、今のチバの声によく合ってる。〝THIRD IMPACT〟は、ねばっこいリズムの、これはブルーズ・ロック…と言っちゃっていいんだろうか。70年代の香り。サイケなにおいもする。途中でふっと軽快な4つ打ちになるのが面白い。これはキュウちゃんのドラムが好きで、どんなに粘ったリズム叩いてもキュウちゃんの場合どっかふっと軽くヌケたところがあるのがいい。
さて、〝45 CLUB〟のイントロのリフがこれって〝カルチャー〟じゃねえかと突っ込みいれた人はかなりいそうな気がするんだがどうだ(笑)。ストレートなガレージR&Rかと思いきや、変拍子だのブレイクだの多用してて意外に凝ってる。ライヴ映えしそうな曲だ。



それにしてもハルキのベースはいいなあ実にいい! しなやかで、ゴツくなくて、でも音につよさと芯がある。最初のころは、正直まるで気にもとめてなくってっていうかチバにしか目がいってなかったんだけど(笑)、アルバム聴きこむうちに、どんどんベースの音が耳に残るようになってきて。ボトムをどっしり支えてるんだけど、流麗でメロディアス。ギターやヴォーカルと、激しくぶつかり合うっていうよりは、そういう上モノをドライヴさせるのを、とても自然に手助けしてる、とでもいうのかなあ。〝NIGHT LINE〟の大サビのフレーズとか大好きだ。〝45 CLUB〟でもすごいの弾いてるし。動いてるんだけど、全然うるさくなくって、ホント音と音の間をすり抜けていくようなスピードと身軽さがあって。うあああああライヴ楽しみだ! できるだけ下手側陣取れるように頑張ろう。
音人のレビューで金光編集長も書いてたけど、これから先彼の存在が、Birthdayのポテンシャル広げていくうえでものすごく重要な位置を占めるんじゃないかと思えて大変楽しみです。バンドを大河ドラマにたとえるとすると(たとえるな)、チバが主人公と思って見始めたBirthdayという物語だったのがいつの間にかハルキの成長物語に軸足移ってた、みたいな(笑)。いや、でもそれでいいと思うんだ。だからバンドって面白いんじゃないか。
なんかそのうちオッサンたちをとって食うどころか、むしろハルキにオッサンたちが踏み台にされるんじゃないかとすら最近は思うのですが(笑)、ハルキがそのくらいまで曲の中で自己主張できるようになったときにこのバンドはとんでもないものを生み出すんじゃないか、という金光編集長の文に、皿が割れる勢いで膝を打ってしまいましたよ。それをぜひ聴きたいなあ。そう思わせてくれるこのBirthdayというバンド、今さらながらに長いお付き合いができそうな気がします。いやだからこそ、長く続けて欲しいんですが(笑)。



さてユニヴァーサルにまんまと踊らされてDVD付とボーナスCD付、2枚とも購入してしまったのですが、DVDは思ったより演奏のテンポがライヴでは速くなるのねということをちょっと喜ばしく思ったり、チバの汗のかきっぷりに思わずアゴの下に漏斗セットしたくなってみたり、〝NUDE RIDER〟の教授のシャウトに昇天したり、ハルキ細くてかわいいかわいいかわいいかわ(ryだったり、と感想はそれくらいですが(充分です)、ボーナスCD収録の2曲、これもよかったなあ! 〝LOVERS〟は、ああチバもこういう超正統派のロッカ・バラード歌ってもそれなりに様になるようになったんじゃんと。いい曲だなあ、本当に素直にふつうにいい曲。スタジオテイク早く聴きたいな。ハルキのベースがこれもまたすごいなあ! 〝オオカミのノド〟もかっこいいー。イントロがかっこよくてヤバすぎ。ギターの掛け合いとか昇天ものだ。これライヴで聴いたら死ぬかもしれん。