The Birthday/1.20 Zepp福岡

前日は、夜中に急にいてもたってもいられなくなり髪を染めてみたりン年ぶりにピアスをあけてみたり(ピアッサー? そんなもんはいらん! 安全ピンと消しゴムとライターとマキロンがあれば充分! 氷もいらん!)、当日は当日で緊張のあまり腹を下し、家を出る直前までトイレにこもっていたという、まったくもって近来にない迷走っぷりをいかんなく発揮しておったワタクシですが、まったくもうたかだかライヴ見に行くだけだってのに、馬鹿じゃないかしらこの人。いや私なんですが。そんな感じで、行ってまいりましたZepp福岡。
週間予報では、土曜日は雨の予報が出ていたのですが、昨日の天気はとても穏やかな、ぽかぽか陽気の晴れ。傘をさしてスタンディングのライヴに赴くというのは大変に気が滅入るものですから、ありがたかったです。音人のライヴレポで、教授が「Birthdayは晴れバンドなんだよ」と言ってたと書いてありましたが、ホントにそうなのね。
さて、レポにも何もなってない単なる感想というか自分用の覚書というか。鬼長い上にかなりとりとめないので、以下自主隔離。




■運良く2階席に行けたので、そちらでじっくりと見ることに。上手側の前から4列目で、幸い目の前の席が空いていたので座ったままでもステージ全体がよく見えた。
客層は、やっぱり若くはない(失笑)。20代前半が若干、主力層は20代後半〜30代か。男女比は半々くらい。Tシャツ着用率高し。ミッシェルTシャツや、ROSSO Tシャツ着てる人もけっこう見かけた。面白いのが、そういう人ってほぼ男子なんだよな(笑)。女子はふつーにBirthdayTシャツ着てる人が圧倒的。ピンクが人気のようだった
■7〜8分押しでスタート。チバは黒ジャケットに黒パンツ。インナーはカットソーだったか花柄シャツ(笑)だったのかはちょっと遠くて確認できず。ドロボウヒゲ健在(泣笑)。教授は黒シャツオールウェイズ全開、ハルキは白シャツに腰履きジーンズ。キュウちゃん黒のVネックTシャツに黒のパンツ(たしか)。
■MCはほとんどなく、とにかくたたみ掛けるように矢継ぎ早に曲を叩き出していく感じ。MCらしいMCというと、〝KIKI〜〟の前に「明太子の中に妖精はいるかい」(ここで椅子からずっこける妙齢の女子←私)、曲間で固唾を飲むようにしてステージを見つめる客席に向かって、「いいね、静かなお客さん大好き」(ニヤってしてたっぽい)、あとは終わりがけに、何度かサンキュー、と。キュウちゃんは、「ようこそいらっしゃいました」と一言。教授とハルキは喋らず。
■たしか〝焦燥のバラッド〟だったか、どうも歌詞がとんだらしくいきなり両手を挙げて珍妙きわまるタコ踊りを披露するチバ(そして再び椅子からずり落ちるワタクシ)。
■曲間で、タオルを頭の上にのっけて風呂上りみたく両手でガシガシと拭くハルキに、その場で沈没したきり起き上がれないワタクシ
■白シャツが汗でぐっしょりなもんだから、後ろからライトが当たるとほっそい体のラインが透けて丸見えでry(以下自主規制)(何を見に行ったんだコイツ)
■あ、今唐突に思い出した。アンコールでBirthdayジャンパーを着て出てきたチバにキュウちゃん、「チバくんいいねえそのジャンパー!」ハルキはあれは、NUDE RIDERかな? 物販の黒Tシャツ。キュウちゃんと教授は、お召しかえはナシ。



■ライヴ前にすごく気になっていたのは、チバの声。どうも最近の、CDで聴く限りのチバの声に、少しばかり違和感を感じていたので。たしかに昔から、シャウトは思いっきりがなる人ではあったけど、何となく最近のがなり声は喉の開きが小さいというか、風邪引いて喉が腫れてふさがっている人が無理やり大声振り絞ってるみたいな感じで、聴いててちょっと辛かったのです。単純に、苦しそうに聴こえてしまって。で、それが声量の衰えからくるものだったらなんと悲しいことであろうかと心を痛めていたわけですが、はい、んなこたあなかったです(笑)よかったよかった。
かえって、長丁場のツアーこなすことで、喉がほどよく開いてほぐれてきたのか、いい感じに伸びもハリもある声でした。フルヴォリュームの楽器の音に押し戻されることもなく、なにより辛そうに声を絞ってる様子は微塵も感じられなかった。やっぱり私はこの人の声好きだなあ。〝Sheryl〟とか、しみじみと聴き入ってしまった。いい声だ。
■教授のギターはホントに色鮮やかというか、音色の引き出しがとんでもなく豊富。キラキラした軽やかな音、ゴリっとした背筋がしびれるような音、と本当に懐が深い。いわゆる轟音ではないし、ヴォーカルに張り合うんじゃなくって何というか、もっと歌メロに寄り添うような感じ。そしてアクションがいちいちかっこいい! テレビやラジオで、半径5メートル以内にオーロラ張り巡らせてしまうようなさっむいギャグを飛ばしているオッサンと同一人物とは思えん!(笑)ちょっと猫背気味に、終始ギターをひっくい位置で構える立ち姿がものすごくツボ。〝NUDE RIDER〟の、「Why don't you slip away bebies?」のシャウトにしびれまくり(笑)。えびぞりジャンプも〝NUDE RIDER〟だったかな? 左胸を拳で叩いて煽る仕草も、ほんとカッコよかった。
私の愛するギタリストのひとりであるところのこの人と、なんとなく共通するものを実は感じたりするのですね教授には。なんかこう、右脳が人より発達してそうな感じというか。なんの変哲もないコップが、違うものに見えてそうな雰囲気というか。苗字が同じイマイだから、というわけでもないと思うけど(笑)。
■キュウちゃん。こんなにいろんなオカズ叩く人だったっけ!?という驚きがまず1番。タイトにリズムをキープってイメージが強かったから、ほんとびっくりした。幅広がったなあ、と。もちろん、そういうタイトな部分は健在、でもってすごーく〝歌ってる〟感じがする。チバが、Birthdayやるにあたってキュウちゃんとはどうしても一緒にやりたかった、というのは、この〝歌ってる〟感じが欲しかったからなのかなあ、とぼんやり思った。〝ハレルヤ〟の最後の方とか圧巻だった、まさに暴れ太鼓! かっこよかった! 
■でもってハルキ。生音聴くのが楽しみすぎて、吐きそうになってたたわけは私だ悪いか(ヤケ)。いやーもうかっこよかったかっこよかったかっこよかった!! 音そのものは、粒がゴツゴツしてなくて滑らかで綺麗、だからといって他の3人に埋もれることなくしっかり自己主張してて、えーとそうだな何ていったらいいのかな、そう、まるで青竹のような(えー)。しなやかでみずみずしいのだとても。でもって、フレーズのひとつひとつが流れるようで、ギターとドラムの間をすり抜けながら、チバのヴォーカルと一緒になって歌ってるみたいで。ほんとすごかった、かっこよかった。あの左手の指の動きを見てるだけで私はメシ3杯はいける(笑)。あなたほんとに23ですか、そりゃあオッサンたち自慢したくもならあな。私が殊にひっくり返ったのは〝白い蛇〜〟の前編で、ループっつーか、同じシンコペーションのフレーズをえんえん繰り返してるだけのベースラインなのに、なんかとんでもないうねりみたいなのが腹の底にずんずん響いてくるんですね。CDでは割と聞き流してた曲だったのが、いきなり、ああこういう曲だったのか!とピントがばっちり合ったといいましょうか。〝JOIN〟の跳ねまくるベースもよかったー、2階から転がり落ちそうになるのを押さえるのに必死(笑)。
■今こうやって書いてて気づいたこと。このバンドのキーワードは、やっぱり〝歌〟なのかなあ、と。4人全員が、それぞれに各々の〝歌〟を体の中にどうしようもなく持ってる人たちで、それが近づいたり離れたり絡んだりスパークしたりすることで、Birthdayの音楽が生まれていってるのかな、と。メロディとハーモニー。モノフォニーでもホモフォニーでもなく、ポリフォニー。で、その中心にあるのはやっぱりチバの声であり歌であり、ギターやベースやドラムのそれぞれの歌は、チバの声をまず1番に響かせるために鳴っている、そんな風にも聴こえる。
でも、だからといってチバ+他3人、じゃあ決してないんだけど。あくまでチバが真ん中にいる、Birthdayという4人のバンド。これはハッキリ言っておきたい。それはもうね、ステージに4人が立って音を一発鳴らした瞬間、どんなあほでもわかると思うよ。



■未音源化の曲が何曲か。〝FUGITIVE〟は、もうライヴではけっこうおなじみなのかな。チバにしては珍しく、けっこう直裁的にエロい歌詞。音人でも言及されてた〝IT'S ALL RIGHT〟も、すごくストレートでちょっとびっくりした。〝夢をみようぜBaby きっと上手くいくさ〟だもんなあ。曲調もすごく王道というか、これは『NIGHT LINE』のシングル聴いた時にも思ったのですが、シンプルなロックンロールの原点に戻ってきてるのかなあと思った。パンクとかガレージとかハードロックとか、そういう細分化されたジャンルのどこにも当てはまらない、けれどもまぎれもないロックンロール、それ以外の何者でもない。『Rollers〜』最初に聴いた時には、あ、ニューウェイヴっぽいのやりたいのかなあと漠然と思ったんですが、もう明らかにそれだけにとどまらない世界に、彼らは踏み込もうとしているのかな、と。
エイトビートの、すかーんと抜けたやつがやりたかった」ってチバが最初に言ってたのって、それってもっかい、ロックンロールの初期衝動を取り戻したいみたいなことなのかしらと理解していたのですが、もうBirthdayはそこから先に進み始めているんだなあ、と音源になってない曲聴いて腑に落ちました。わああすごく楽しみだ。
■それにしても〝オリーブ〟はよかった。なんだあの曲。あやうく泣くとこだったじゃないかどうしてくれる。しみじみと歌詞を噛み締めながら、ヘッドホンで聴いて心置きなく号泣したいので、とっとと音源にしやがれこの野郎(何故逆ギレる)
■ライヴで印象が変わってった曲を聞かれて、〝ハレルヤ〟を挙げてたのはキュウちゃんだったっけ(今手元に音人ないので確認できんのだ)。あれで大ラス、というのはすごくよいと思う、なんかほんとぐっときた。音源の段階では、まだなんだか自分に言い聞かせるみたいに〝奇跡ってやつをもう1回信じてみよう〟と歌ってたチバが、今は本当に、心の底から〝奇跡〟を信じてる、みたいに確信持って歌いきってる感じがしたんです。最後にテンポがぐわっと加速してくとこ、鳥肌立った。むちゃくちゃ高揚する。もともと好きな曲だったけど、なんかあれで、自分にとってさらに大事な曲になった気がする。だってほんと、なんかヘンな言い方だけど生きてく活力もらったような気がしたんだもの。




20曲以上やって、トータル2時間20分くらいだったかな、でも全然長さを感じなくってあっという間。それどころか、もっと聴きたかった(笑)。メンバーみんな、のびのびやってる感じがダイレクトに伝わってきて、ほんとに楽しかったです。で、思ったのが、たぶんこれって彼らの平均くらいのライヴ(笑)、福岡が特別にすごかったわけでもなくだいたいこれくらいはいつも普通にやれてるんだろうな、と。だから、もっともっとこれから先、すごいライヴをいっぱいやってくれそうな感じがするんです。なんとなくだけど。このツアーに1回しか参戦できなかったのが、心底もったいない。やっぱり仮病使ってでも熊本行っときゃよかったよおかあちゃん!(誰)
とりあえず今年もまたツアーやるんでしょうけど、決めたぜ、絶対遠征してやる。最低3箇所は行ってやるぜ!(たかだか3箇所でそんなに威勢良く宣言するな)で今度は、ちゃんと下に下りて踊り狂ってやるのさベイベー!




セットリスト載せときます。たぶんこれであってるはず。


1.シャチ
2.stupid
3.NIGHT LINE
4.LOVERS
−MC−
5.FUGITIVE
6.さみしがり屋のブラッディー・マネー
7.JOIN
8.45 CLUB
−MC−
9.KIKI The Pixy
10.春雷
11.IT'S ALL RIGHT
12.オオカミのノド
−MC−
13.Lock On
14.LAZY SUBMARINE
15.焦燥のバラッド
16.MEXICO EAGLE MUSTARD
17.Nude Rider
18.King Motor Haus
19.Sheryl
EN1
1.白い蛇と灯台(前編)
2.白い蛇と灯台(後編)
3.BABY HONEY BEE
4.オリーブ
EN2
1.ハレルヤ



最前でカメラ回ってましたね。ツアーDVD出るのかな?