Brett Anderson/Brett Anderson

ジャケ買いだ、文句あっか。


ブレット・アンダーソン

ブレット・アンダーソン


ふおおおおおかっこいい。なんだこのかっこいい人。頬のコケ具合といい美しい鼻筋といい憂いに満ちたまなざしといい、目の下の涙袋にそこはかとないシワっぽさといい、すべてが私のツボまっしぐらだどうしてくれようこのオッサン! 店頭で開いた口がふさがらなくてヨダレ垂らしながら見とれてしまったわ。
こんなかっこいい人が作る音楽が、悪いわけがないのである。いや、本当に(笑)。私の体内にはなにしろヴィジュアルショッカーの血が流れているゆえw、〝見てくれは音楽に必ず反映される〟と固く信じてやまないのです。顔にアブラ浮いたヤツの作る音楽はやっぱり暑苦しいし、ナリがダサいヤツの音楽はどっかしら垢抜けないし、目つきが悪いヤツなら音楽もなんかギラついてるし。でもって、美しい人の作る音楽は当然美しいわけです。音楽を選ぶ基準としてこれが必ずしも絶対的に正しいのかどうかというのはとりあえず遠くの棚に放り上げておくとして、個人的には今までこれで失敗したことないからいいのだ。そういや、Birthdayにすっ転んだのもアレだ、Rollers Romanticsツアーのチラシをたまたま見かけて、チバの耳が見える短髪とスッキリ伸びた首筋に、「おおおコレは私のいちばん好きなチバ…!」とチラシ両手で握り締めて涙に咽んだのがキッカケっちゃあキッカケだ(笑)。このツボど真ん中のチバの奏でる音楽ならば、絶対間違いはあるまい!と。そうそう、ミッシェルから一時期離れたのは、カサノヴァのオールバックチバがどうしても許容範囲外だったからだし、3人ROSSOがOKだったのはチバが髪下ろしたからだし、4人ROSSOはチバの長髪が許せなくて手に取る気も起きなかったし(以下略)。閑話休題
こんな美しいオッサンの作る音楽ですから、美しいのは当然なのだ。反論不可。
たしかに地味なアルバムです。最小限のバンド編成+ピアノとストリングスがメインで、SUEDEのようなギラっとしたグリッターな響きはまったくないし、ブレットのヴォーカルにしてもあの特徴的な裏返り声はかなり抑え目。まあもちろん痩せても枯れてもブレットですから、全体を覆うメロディラインはとてもメランコリック、かつドラマティックなブレット節なんですけど、一発で耳を持ってかれるようなキャッチーさはあんまりない。ていうか、ない(笑)。でも、それがいいんですむしろ。何度も何度も、噛み締めるようにいつくしむように、大事に大事に聴きたくなる。よぶんな脂っけが抜けて、すんなりと体の中に歌が入り込んでくる感じ。ああいい曲だな、いい歌だなあと素直に思います。〝EBONY〟がほんともう好きすぎてヤバい。アコギのアルペジオで始まる、2分半のものすごく簡潔なバラード。こんなにシンプルな歌をブレットが歌うようになったっつーのがなんかもう目からウロコだ。こればっかり何回リピートしたことか(苦笑)。
で、このアルバムは中ジャケットの写真がこれまた非常によくって、ソファに座って背もたれの上の黒ネコちゃんを見上げるブレットの横顔が、まさしく ネ申 レベルの美しさなのですが、それだけじゃなくって背景の小道具をよくよく見ると、なんともまあ実にぐっとくる仕掛けがしてあるのです。いや、そんな大げさなもんじゃないけど(笑)、あ、ブレットは過去のギミックだらけだった自分を否定してるわけじゃないんだ、と。過去の〝架空のキャラや虚飾の影に隠れてきた〟自分をきちんと受け入れ、誇りを持ったうえで、あえてこういうパーソナルな方向に向かったんだなあ、というのがこの1枚の写真からも伝わってくるわけですよ。いやあ、これほんとうっかり目頭熱くなっちゃったもん(笑)。これは見てのお楽しみ。つっても、オフィシャルサイト見たら載ってるんだけどさ(失笑)。





というわけで〝LOVE IS DEAD〟のPVにて、オトナの魅力満載のブレット兄さんを満喫ください(笑)。この、マイクスタンドにもたれるようにして両手マイクにかけて歌うスタイルは、昔っからぜんぜん変わんないよねえ。