俺のパンク魂は死んじゃいないぜと彼は言う
立ち読みで済ますつもりだった『DOLL』10月号なのですが、記事を読み終わった瞬間、レジで財布開いてるワタシがおりましたとさ。たった2Pの、しかも写真はアー写の使いまわしのインタビューに550円払ったワケだが別に後悔はしてない。なんつーか、ワタシがなぜバースデイの音楽に惹かれてやまぬのか、さらに言えばなにゆえにワタシはロックを聴くのか、ロックを必要としているのか。その理由を、チバさんがとてもわかりやすい言葉で端的に言い表してくれていた、そんなインタビューだったのです。たった2Pといえど。ワタシはその、チバさんの発した“言葉”をいつでも手の届くところにおいておきたい、そう思ったのだよ。
うん、このインタビューは読んだ方がいいと思うな。いつもの、例えば音人なんかとインタビューとはちょっと違ったノリで新鮮だったわ。喋ってるのはほとんどチバですが、酔っ払ってたせいか(笑)、かなりテンション高くて饒舌。若かりしころの青春の一幕なんかも、ちょろっと暴露しちゃったりもして(笑)。かーわいいじゃねえか、白いバラの入ったモデルガン(笑)。
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――私、The Birthday初めて聴いた時、10年くらい前のチバ君の言葉を思い出して。打ち上げでさ、あるミュージシャンが“目に見えるものを目に見えないもののように膨らませられるのがロックだ”って言って、チバ君は“俺は逆で、目に見えないものを目に見えるようなものにできるのがロックだ”って。
(中略)
チバ「うん。ロックンロールって常に夢であってほしいの。音楽って、ロックにしろパンクにしろそうだと思ってるから。現実的なことをガーッと言うのもあるけど、そこからどっか連れて行ってくれるのがロックだと思ってるから(後略)」
イマイ「見えないものを見せるって、夢だけじゃなく、隠されてたものや抑圧されてたものを浮き彫りにするってことでもあり。現実も夢と一緒になって散りばめられてる」
チバ「うん。おとぎ話みたいな歌かもしれないけど聴いた人の中で現実になっていく。現実だけどブッ飛べる。薬なんか使わなくても音楽でブッ飛べるの知ってるよね? それをずっとやりたいだけ」
チバ「ロックンロールは行きっ放しじゃダメだよ。どっかで戻らなきゃ。“足元見とけよ、気をつけろよ”ってのがないとダメ」
昔から、日常からかけ離れた、『ここではないどこか』別の世界に連れていってくれるものが、好きなのです。
その『ここではないどこか』は、別に現実逃避なんかではなくって、代わり映えのしない、あまり面白くもない、いろいろと世知辛い日常を、それでも生きていくために必要な心のたくましさ、言ってしまえば生きのびてゆくためのほんの少しだけ、知恵と勇気を与えてくれるもの。
そういうもんであって欲しいとワタシは思ってるのです。ロックっつうか、音楽は。うん、そういうことだ。