dipの音源を、自分内(中略)覚え書いていくシリーズ@その3

前回より続きます。
そんなような次第で、“waiting for the light”にえらく衝撃を受けたアテクシ、熱に浮かされたがごとき足取りでもってとりあえずTSUTAYAに駆け込み、これを借りてくるわけであります。


dip

dip


ぶは(鼻血噴いた)


15年前の音源なのかこれ。わっか! 声若い!(笑)でもって、ぜんぜん古くなってない!
メタルでもパンクでも渋谷系(笑)でもヴィジュアル系(大笑)でもなく、シンプルな3ピースもしくは4ピースで、ブルースのにおいのしない(ここ重要)ギターを中心にしたロックバンドは、今でこそ雨後の筍のごとくあっちこっちにいますけど、じゃあ15年前にそういう音を出してたバンドって、どのくらいいたのかしら。ポップに疾走するギター、深く沈みこむサイケデリア、そして振り回されるようなアシッド感。まだ荒削りで、練りこまれた感はあんまりないのですが、それでもdipの、dipたらしめている要素はこの1枚に全部ある。みずみずしい音、“これから”を感じさせる勢い、若いバンドにしか出せない、あれだ、刹那の輝きっちゅーのか?(笑)とにかくもう“稀有”のやばいことやばいこと。闇雲に突き抜けるスピード感、カミソリみたいなギターのカッティング、うねりまくりドライヴしまくりのベースライン。ほんっとにかっこいい。イズミさんは、中音域を自在に動き回る、とても私好みのベースを弾く。ナカニシさんの、抜けのいいドラムとよくあってると思う。ヴィジュアルも華があってかっこいいし、この3人体制のdipでアルバム1枚しか残してないってのは、ちょっともったいない気もするなあ。
でもって、終盤のヴェルヴェッツ〜ビートルズのカヴァーの、熱出そうなぐるぐる具合。竜巻のような轟音の渦の中で、叩きつけられもみくちゃにされたあげく、突然ぽーんと、ぬるくてうすらあかるい、羊水の中に放り込まれたみたいな感覚を味わえる30分です。いつ果てるともしれないさざなみのようなアンビエント音に、癒しを通り越してなんかもうすべてがどうでもよくなってくるという(笑)、恐るべき逸品。