凛として時雨/Telecastic Fake Show

Telecastic fake show(DVD付)

Telecastic fake show(DVD付)


前々から気にはなっていた時雨さん。M-ON!だったかスペシャだったかで、ちらっとライヴ映像を見たことのあるだけで、その時の印象は、「ほー、なるほどなあ」。やたらめったら手数の多いドラムにいびつなリズムパターン、メタリックなんだけどいわゆる“ヘビメタ”ではないギター。ひとつの曲の中に5曲分くらいのアイディアを平気でぶっこむ歪さ、過剰さ。しかしその“過剰”の表れっぷりが、例えばよく同列に名前を挙げられる9mmくんなんかと比べると、格段にモダンでスタイリッシュ。そしてマッド。悩める文学青年風情のタクローに対し、こちらのフロントマンのTK氏が持つオーラは、どう見ても死神博士的なんとかサイエンティスト(笑)。
うーむ。確かに触れなば切れんスピード感は満点だし、妙なアシッドくささもあるし、かっこいい。嫌いではない。んだけど、んーいまいちぐっとこんなあ、とその時は思ったのです。おーかっけーなあとアタマで納得はするものの、うおおおおかっけえええ!! と拳握り締めてガッツポーズとらせるところまでいかないというか。
思えば9mmくんの、何が私に拳握り締めて以下略させたのか。以前にも書きましたが要するに一抹のLUNA SEAくささで(笑)、ではそのLUNA SEAくささとは何かというと、古式ゆかしいヒーローアニメのテーマソングに感じる『やたらめったらなテンションの高さと、そこから得られる興奮・高揚感それと一抹のこっ恥ずかしさ(笑)』なわけで。で、そのこっ恥ずかしさがとこからきてるのかっつったら、やっぱり歌メロだと思うのです。9mmの曲って、歌メロはどれもけっこうスレスレじゃないですか。一昔前の歌謡曲というか、それこそ“古式ゆかしいヒーローアニメのテーマ曲”というか(笑)。NEWシングルなんて、謡曲通り越してほとんど童謡ですよアナタ。“Supernova”のサビなんて文部省唱歌とかに出てきてもおかしくないっつーか、むしろなんか似たような曲が絶対あったと思うんだけどそれがなんだか思い出せない! ていうか9mmくんたちはプロダクションI.G.制作の深夜アニメなんつーシャレオツなもん*1のテーマ曲なんてやってる場合じゃないと思うんだ。もっとベッタベタなものやってくれ! ガッチャマンとか009とか超獣機神ダンクーガとか!(放映されてません


Supernova/Wanderland

Supernova/Wanderland


あまりに話がすっ飛びすぎたのであわてて戻します。何の話だっけ? ああそうそう、9mmにあって時雨にないものだ。要はその『こっ恥ずかしさ』を喚起させるだけの、メロディにいまいち欠けるなあ、と。ぶっちゃけ、歌メロ弱くね? と。うわ、あれだけ本題から話がとっ散らかった挙句に、結論は7文字で済んでしまった(失笑)。
で、まあそんなようなわけで、ライヴ映像見てもいまいちピンとこなかったのですが、今回ふと思い立って聴いてみたこのシングル曲でも、正直なところ同じような印象を受けました。なんかぐっとこないっつーか、入り込めない。これってソニック・ユースは好きなのにピクシーズだといまいちのめり込めないのと同じようなもんなのかね(苦笑)*2カップリングの3曲目にはちょっとだけおっと思ったんだけど…


と、ここでワタクシ、付属のDVDをパソコンに突っ込みます。
…おいおいちょっと待て、今書いたこと8割方撤回! なんだこの曲! めちゃくちゃかっこいいじゃないか!!



凛として時雨 / DISCO FLIGHT(LIVE)


いや、これはちょっとキましたわ。ビリビリと電流が。なんというどキャッチーなサビ。ていうか、これはいけますよヒーローアニメのテーマソング!*3(どうしてもそこから抜け出したくないらしい)。この超ハイトーンヴォイスの男女ツインの掛け合いにシャウト、まさに一瞬にかける刹那のキラメキであり“瞬間の美学”。まるで走馬灯のごとくに「廃墟と化したTOKYO、そこに佇む血まみれの包帯を頭にぐるぐる巻きにした少年と少女」みたいな絵面が脳裏をよぎった私は、どう考えても脳味噌煮えてます本当にありがとうございました。



凛として時雨 / DISCO FLIGHT


冗談抜きで、この1曲のためだけにライヴ行ってもいいわ。そのくらい気に入った。え? 福岡こないだワンマンで来たばっかり? あ、7月にまた来るのか。じゃあその時にでも。でもまあ、まずは音源だな。


Inspiration is DEAD

Inspiration is DEAD

Feeling your UFO

Feeling your UFO

#4

#4


どうでもいいけど、時雨さんたちってMAVERICK所属なんだね。びっくりだ。それでLUNA SEAドームライヴの時に、打ち上げに潜入できたりとかしたわけだ…あの界隈、ほんとどういうつながりがあるんだかわからんもんだな。

*1:そうか?

*2:違うと思う。でも、TK氏のギターに、ピクシーズと近いものを感じたのも事実。非常に金属的、かつ素っ頓狂な響き。

*3:でも、“古式ゆかしい”ヒーローアニメというより、わりと最近のロボットアニメの方が似合いそうな気がする。○ンダムSEEDとか。○ードギアスとか。でも○ウレカセブンは9mmくんのが合う気がする。あくまでもイメージ。