サマソニ覚書&落穂拾いその3

急に朝晩涼しくなったせいか、ものの見事に風邪ひいて死んでましたズビー。ものすごく今さら感漂う覚書ですが、まあいいか、自分用だと思えば…orz


THE VERVE@OCEAN STAGE


まあ私はヴァーヴがバリバリ活動していた90年代にはそんなに彼らには思い入れとかなくて、『A Northern Soul』はたぶん大昔に聴いたことあったはずだけどすぐ売っちゃったかなんかしたし、『Urban Hymns』にいたってはちゃんとアタマから通して聴いたのがほんとにここ2ヶ月くらいという有様で(笑)、それがまたなんで今回のサマソニ行きのいの一番の目的はヴァーヴ、とかいうくらいに急激にどハマりしちゃったのかは自分でもほんと謎なんですけど、久しぶりに1枚だけ手元に置いてたシングルベストを聴き返してみたら思いがけず良かった→戯れにYouTubeで再結成以降のライヴ映像ちょこちょこ見てみたら、びっくりするほどかっこよかった、と。で、せっかく日本でライヴを観る機会があるんだからこれは行っておいたほうがいいんじゃまいか、と。でももし今後単独来日とかうっかり実現してしまうようなら、どうせ観るなら単独公演の方がいいしなあ、とけっこう直前までうだうだ迷っておりましたのよ。そんな私の背中を押したのは、何を隠そうフジのマイブラ(笑)。へっあんなほんとに日本に来るのかどうかもわからないやるやる詐欺バンドのために苗場くんだりまで行ってられっかよばーか、なんて悪態ついてたんですが、これがいざほんとに来ちゃった!てなことになった途端に、2chの実況にはりつくわ徹夜の勢いでライヴレポ読みまくるわ映像探すわ、のエラい騒ぎになっちゃいまして(失笑)、で、その時にはたと思ったわけですよ、これはサマソニ行かなかったら絶対ヴァーヴで同じことするわ私、と。ロキノンサイトの実況レポートとか見て、パソコンのモニターを前にハンカチの端をくわえてきいいいっとなること間違いナシだわ、と。いやだーっそんなんいやだーっ!
…って、そんな話はどうでもいいんですけど。で、結論としては、ほんとに行ってよかった。仮に今後なにかの間違いで(笑)単独来日があったとして、で私はもしそうなれば武道館*1だろうが東京国際フォーラム*2だろうがZepp TOKYOだろうがホイホイ行ってしまいそうな気がするのですが、それは別として、この日のライヴはやっぱりスペシャルだった。まず、シチュエーションがありえないくらいによかったよね。フェスという非日常の空間にもってきて、ちょうど夕暮れ時、日の沈みかかる頃から完全に落ちきるまでという時間帯。涼しい海風が吹き抜ける野外のステージ。その開放感に、赤く焼けた陽の光と夜の闇とが入り混じった、なんともいえずに幻想的な空の色が、ヴァーヴというバンドにぴったりあっていて、そんな最高の空間で、生であの音が聴けるなんて、もう生きてるうちに2度とそんな機会ないよね間違いなく。



写真は、ライヴが始まる直前くらいのもの。ライヴ中盤くらいだと、この空がもっと深い茜色に染まっていて、でリチャードが言ったわけだ“Drugs Don't Work”歌い終わった後に。「後ろ見てみな、空が綺麗だ。すげえ綺麗な雲だ」って。あーいい曲だなあリチャードいい声だなあ、ほんとに気持ちいいなあ…なんてうっとりしてたところにそんなセリフ吐かれた日にはアナタ。で次に歌ったのが“Lucky Man”。もう死ぬかと思った(笑)。


で、その“Lucky Man”歌い終えた直後に、問題のアレをやらかすわけです、リチャードさんが。いきなり肩からアコギを下ろして、ステージに振り下ろす。叩きつける。そりゃあもう爽快きわまりない勢いで(苦笑)。3〜4回くらいそれを繰り返した挙句に、完膚なきまでにぶっ壊れたギターの残骸を放り出し、サイモン側の客席に向かって指差して、なにやらガンを飛ばしてる。私はニック側の割と前の方にいたので、人の頭が邪魔であまり細かいところまでは見えなかったのですが…あれ、リチャードの視線客席に向かってたよね? スタッフじゃないよね?(誰に聞いてんだ)リチャードが何か言ってるようにも見えたんですがもちろん声は聞き取れず。
一瞬、客席の空気がすごく微妙な感じに。そしたらリチャードさんステージの中央までつかつかと歩いてきて、ギターの残骸を拾い上げまして。ちょうどギターの裏っかわの板が、くりぬいたまみたいに綺麗に外れてまして、で、いきなりその場にしゃがみ込んで最前列の客席をそれでぱたぱたと扇ぎだす(笑)。それでどっと客席がウケて、一件落着、といった塩梅だったのですが…でもあれ何だったんだろうな。ギターの残骸でパタパタ、は場の空気を和ませるためのパフォーマンスだろうけど、ギタークラッシュはけっこうマジっぽかったんだよなあ。その後のガンつけも。その時下手側がどんな状況だったのかがわからないので何ともいえないんですが、いまだに気になってる。ロキノン山崎氏のブログによると、ギターのセットミスだったらしいけど、リチャードがガン飛ばした先は明らかに客席だったしな。それまではリチャさんもけっこう歌いながらニコニコしてて機嫌よさそうだったのに、いきなり豹変してアレですから。なんかこう、マッド・リチャードの片鱗を見た!という感じでしたわ。
(ちなみに同会場に来ていた某知人は、その前のリチャードのMCにつられて後ろ向いたまま携帯カメラで夕暮れ空を撮るのに夢中で笑、この一部始終をいっさいがっさい見逃してたそうです。何でそういう肝心の場面を外すのか…)


あと、最終曲の予定だった“Love Is Noise”がカットされてしまった件。確かに“Bitter〜”の段階で、ニックのギターがまるっきりノイズ発生装置と化してしまい(笑)この曲でこれはねーだろーとずっこけたんですけど、でもねーその後ニック、ちゃんと“Love Is〜”に備えてギターチェンジしてスタンバってたんだよねー。リチャードがとっととジャケット着込んで帰っちゃったもんだから、え? やんないの?って感じで1度肩にかけたギター下ろしてさ。サイモンが、時間押しちゃったからね、ごめんね、みたいなジェスチャーしてたらしいですけど私はそれ見てないので、なんかよく状況がわからなくって正直拍子抜け(苦笑)。“Love Is〜”楽しみにしてたから、こう、なんというか梯子外された気分というか(笑)。サビで思いっきり歌いたかったな。


とまあそんな感じでハプニングも多々ありつつ(笑)、でもそんなのも含めて一生モンのライヴだったなあ、と。時間がたつにつれて、よりじわじわとその余韻が押し寄せてきてます。確かにちょっとニックのギターの調子がよくなかったのもあって、音響面では厳しい部分もあった。どうせならもっといい音で聴きたかったし、本来の彼らのパフォーマンスの、たぶん7割くらいのステージだったんじゃないかなあとも、後から冷静になってみれば思う。でも、やっぱりこの日のライヴは、今この日、この時にしかできない、一期一会という言葉が実にまったくふさわしいものでした。で、その「一期一会」こそが、やっぱり「ライヴ」の何よりもの醍醐味だと思うのです。その醍醐味を、ほんとに思う存分に味わわせてくれた、そんなヴァーヴの1時間でございました。“Rolling People”では思いっきり拳上げて歌っちゃったし、1番好きなアルバム『A Northern Soul』の中でも3番目か4番めに(笑)好きな*3“Life's An Ocean”をやってくれたのがめちゃくちゃ嬉しかったです。まさか聴けると思ってなかったし。あの、薄闇に覆われた大海をゆらゆらと漂ってくような感覚は、ちょっと忘れられません。



SEX PISTOLS@SKY STAGE

ヴァーヴの余韻を引きずりつつ、すでにとっぷりと日も暮れたスカイステージに移動。後ろの方で半分くらい寝っ転がりつつ(笑)、ぼーっと眺めてました。まあのちのち話のタネに、程度。とりあえずジョン・ライドン氏は凶悪なパンダのようでしたよ、と(笑)。思ったほどグダグダ演奏ではなかったけど、まあ全部見るほどのモンでもないし、最後は絶対ウェラー師匠で締める、と決めていたので3曲くらい聴いて下山。何やったっけな。もう何年も『Never Mind〜』聴いてないし曲名忘れた。“God Save The Queen”やらアナーキーインザUKやらはどうせ最後の方で固め打ちしたんだろうし。すみませんやる気ない感じで(笑)。でも後からレポとか見ると、それなりに盛り上がってたみたいですな。そりゃそうか。あ、ちなみに15分近く押しました。



PAUL WELLER@SONIC STAGE


大昔に1度中野サンプラザで観たことあるのですが、あれは92年だったっけ…うわもう16年も前!?(卒倒) いやあでもさすがに、いまだに現役バリバリでやってる人だけあります。もうすっごい当たり前に、プロのステージ(笑)。当たり前か。普通のツアーの一環、といった趣きで、まあでもその分、フェスならでは!のスペシャル感っていうのはなかったですけどね。セットリストも新譜中心だったのかな。新譜、一応押さえてはいたのですが全然聴き込む時間がなかったのと、実はスタンリー・ロード以降のアルバムはあんまりちゃんと聴いてない(笑)というのもあって、ちょっとなんというかお客様状態で聴いてしまったのが我ながらもったいなかった。演奏かっこよかっただけに、ちゃんと曲をわかった上で観たらもっと楽しめたはずなのに、と。途中からアリーナの後ろで座っちゃってました(苦笑)。や、でもウェラー師匠は16年ぶりでも相変わらず素敵でした。素敵な美中年(笑)。私の中では全然アリです(何が)。最後にジャムの“Eton Rifles”やってくれて、そこでようやく私の知ってる曲キタ――(゚∀゚)――! …いやはやお恥ずかしい。
しかしどうでもいいけど、ソニックがらがらだったな…昼間はあんなに屍が積み上がってた人いたっていうのに(苦笑)。けっこう皆さん、翌日のことやらシャトルバスのことやら考えて、適当なところで切り上げて帰っちゃったりするんでしょうね。私はフェス初体験だったということもあって、朝から晩まで張り切って(笑)ガツガツといろいろ歩き回ってましたが、前述の知人なんかは昼ごろふらっと福岡から来て、ダンスステージちょろっとだけ見てあとはヴァーヴ以外はソニックにこもってたらしいし。やだわーなんか私嬉しがりのコドモみたいね(笑)。でも、やっぱり朝から晩までどこを見ても、何かしら音楽が鳴ってる、という空間はすごく居心地よかったし、なんだかんだで楽しめました。覚悟してたより運営も酷くなかったし。具合も悪くならなかったし。雨も降らなかったし(これが1番心配だった)。出演アーティスト次第では、また来年も参加してみたいものです。まあでも今年はサマソニにしてはずいぶんUKに寄ったブッキングだったので、来年はそうでもなさそうな予感。

*1:埋まるのか、というツッコミはなしで

*2:(埋まるのか、というツッコミは(ry

*3:1番好きな曲は“No Knock On My Door”で2番目が“On Your Own”