ROSSO/Emissions

今年に入ってから、こんなん出してたんだ。知らんかった。


EMISSIONS

EMISSIONS


ROSSOは、『BIRD』出たばかりの時に聴いて、あのころはむしろミッシェルの方が、いまいちヌケが悪いと感じていた時期だったので、〝シャロン〟のわかりやすいカッコよさがとても新鮮に響いて好きだったんですけど、さすがにそれとはずいぶんイメージ違うわ。つか、別のバンドのようだ。
なんというか、難しい。キャッチーじゃない。
1曲がどれも長いけど、好き勝手に音出してるように見えて、きちんと曲の設計図は描かれているから、あんまり長いとは感じない。でも、その分音の密度とかアンサンブルの緊張感がすごいことになってるから、聴いてて実にしんどい。世界にがっつり引き込まれつつも、思わず息詰めて肩に力入ってしまって、1曲終わるごとにどっと疲れる。
4曲しか入ってないのに、16曲入り収録時間74分ギリギリの、ごっついフルアルバム聴かされたような気分になる。少なくとも、スピーカーから流しっぱなしでBGMとして聴きとばせる音じゃあ全然ない。



かっこいい。かっこいいんだけどねえ。
〝発光〟とかホント圧倒されるし、〝ROOSTER〟や〝WALL〟はちょっとパティ・スミスの『RADIO ETHIOPIA』後半のポエトリー・リーディングっぽい雰囲気だし、〝眠らないジル〟はタイトルに詞も含めてめちゃくちゃ好きな世界なんですが。
なんというか、チバの、チバらしさってのが半分も出せてない気が、どうしてもしてしまう。ミッシェルの、特に初期のころの彼は、育ちがよくて頭もいいクソ生意気なガキが、背伸びしていきがってるようで、そのとっぽい感じが好きだったんですけど、そういうのはこのアルバムでは全然ない。あえて出てなかったのか、出せなかったのか。私ブランキーってちゃんと聴いたことないからよくわからんのですが、これって結局照井色が強いってことなんですかね?
かっこいいんだけど、なにもチバが眉間にシワ寄せて眉うすくなったり生え際後退させたりしてまで(ええー)、やる音楽なのかしら、とか思っちゃった。なんか複雑だ。かっこいいんだけどなあ…



あ、でも『DIRTY KARAT』はまた違うのかな。どうもあの頃のチバは、ヴィジュアル的にあまりにイケてなくて、いまいち食指がうごかんのですが。