ZI:KILL/LIVE ROCKET

押入れから発掘。
そもそも所有していること自体を忘れていたのだが、YouTubeに上がっていた映像を眺めているうちに、ふと思い出して探してみたわけです。
ブックオフで買ったんですよ、確か。だいぶん前だけど。2本組で¥980くらいだったと記憶。ちなみに元値は¥7,800(笑)。



結果的に解散ライヴとなってしまった、94年1月11日の武道館ライヴ。
これは行きました。アリーナ上手側の真ん中らへんだったような。あんまりよく覚えてない。
ライヴ自体は楽しかったんですが、TUSKはほとんどしゃべんなかったし、なーんとなくステージ上にピリピリした空気が漂ってて、いいライヴだったのになんかヘンだな、気持ち悪いなと思った覚えがあります。
だから、その2ヵ月後くらいにいきなり解散知らされた時には、ハシゴ外されたような気分になりつつも、ああそういうことだったのかと納得するような気持ちもあり。まあなんつーか、最後まで立ち回りの上手くないバンドではありましたな。



本当に久しぶりに、通して見たけどやっぱりカッコいい。
シンプルなのにすごく惹きつけられる。存在感がある。そしてスタイリッシュ。
こういう佇まいのバンドって、最近はほとんど絶滅してますね。みんなゴテゴテとよけいなものが多すぎる。
TUSKの声がいい。高低声色自由自在で、ほんと七色の声。これだけいろんな〝音色〟を使い分けられるヴォーカリストって、そうそういない。当時も今も。ヴォコーダーいらず、とか言われてたよな(笑)。SLUT BANKSの時だっけか、それは。
見た目やオーラはモノクロなのに、声はとてもカラフルで、そのギャップがまたよかった。
この頃はまだ痩せてて、全身黒ずくめで目回り真っ黒に塗ってて、蝙蝠というかコウモリ傘というか(笑)。全然、いわゆる美形ではないしかっこいいんだか悪いんだかよくわからないんだけど、でもかっこいいんだよな。結局。
あー、でもこのライヴではほとんどずっとギター持ってて、それは私的にはNGだ。TUSKには、歌に集中してほしいのだ。
最後の方、アンコールの時だったかな。KENちゃんとSEIICHI兄さんが、ハイタッチならぬロータッチというか(笑)、すれ違いざまに手と手をパンと合わせるあれをやってて、ぐっとくるやらせつなくなるやら。




ZI:KILLのアルバムっていったら、『CLOSE DANCE』は鉄板中の鉄板なのだが、私はラストアルバムの『ROCKET』も同じくらいに好き。

ROCKET

ROCKET

それこそTUSKのヴォーカルは絶好調だし、いろんなタイプの曲が入ってて聴いてて楽しい。〝CALLING〟の突き抜けたメロディとか、〝I LOVE CAT〟のちょっと壊れたおもちゃっぽい感じとか、〝ナニモイラナイ〟は渋くてかっこいいし、〝BAD MAN〟〝PEOPLE PURPLE〟の疾走感は言うまでもない。
インディーズ時代までに顕著な、閉じた雰囲気が好きだったり、TUSKの詞世界に共感してたような人たちからは、あんまり評判良くなかったと思うんだけど、私はそこらへんは気にならなかったな。
純粋にサウンド、ということなら『DESERT TOWN』もいかにもイギリスっぽかったり、ニューウェイヴを意識したような音で好き。レンガ造りの壁が、常にじめっと湿気てるような辛気くささ。
ただ、このアルバムは歌詞がいただけん。中途半端に反体制きどったり説教くさかったり自傷的だったり、のこういう世界はどうも苦手だ。なので1番好きな曲が、英語詞の〝Paradise〟(笑)。これ、明るくてヌケがよくていい曲だと思うんだけど、あんまりライヴではやんなかったよね。
『IN THE HOLE』は印象薄い。ちょうど過渡期のアルバムだったのかな、散漫でいまいち耳に残らない。あと音がよくない。〝華麗〟の再録はかっこいいけど。
DESERT TOWN

DESERT TOWN




しかし『ROCKET』のブックレットのSEIICHI兄さんはかっこいいな!
ヴィジュアル的にはこの頃の彼が1番好きだ。『ROCKET』のツアーの時は、背中が腰のへんまでばっくりあいた編み上げの衣装(通称・ボンレス)で、そりゃあもうかぶりつくようにして彼の姿を追っかけていた若かりし頃を思い出したわ(笑)。