X/『BLUE BLOOD』『Jealousy』

BLUE BLOOD SPECIAL EDITION (期間限定盤)

BLUE BLOOD SPECIAL EDITION (期間限定盤)

Jealousy SPECIAL EDITION (期間限定盤)

Jealousy SPECIAL EDITION (期間限定盤)


年末年始にかけて、けっこうYOSHIKI御大の露出はニュースなりTVなりであったにも関わらず、VIOLET UKの話は出れどもこのリマスター2種についてはいっさい話題にものぼらなかったあたり、まあ本人のあずかり知らぬところでソニーが暗躍して発売した、というんでおそらく間違いないのでしょうが、いやーでもねえ本人にまかせといたらたぶん永遠に出ませんよリマスター盤なんて(笑)。私はずっと長い間『BLUE BLOOD』を持っていなくて、というのもこれが発売された当時ワタクシ親のスネかじりまくりの高校生で、当然そんなに月に何枚もCD買えるほどの金も持ってなかったので、レンタルショップに置いてあるものは全部レンタルしてすませていたわけです。レンタルにないものだけ、吟味熟考を重ねた上に何ヶ月かに1回だけ購入、とか。そうやってやっとこ聴けたCDがハズレだったりした時の、ショックといったらアナタもう…ってそういう話ではなく『BLUE BLOOD』ですよ。そんなわけでこのアルバムも、ダビングしたテープをずっと聴いてきていて、なんとなくCDは買いそびれてしまったままだったのです。どうせここまで来たら、もうリマスターされるまで待ったほうがいいなあの音にウルサイYOSHIKI御大が、いつまでもあの音質のままであれを世に出すなんてしないだろうしな、と思ってたのですが、気づけばこんなに時間がたってしまっていた(苦笑)。
なので、経緯はどうあれ、やっぱりこうやって良い音で、このアルバムを聴けるというのは嬉しいことであります。ちなみに『JEALOUSY』は、発売当時予約して買いました(笑)。ブックレットぼろぼろだ。



とりあえず、7年くらい前に4万円弱で購入したKENWOODの3連オートチェンジャーのコンポで聴いた限りでも(笑)、だいぶ音は改善されてるようです。低音の響きがよくなってるし、全体的にモコモコした感じだったのがすっきりクリアになり、各パートごとの分離もハッキリしたかな。ブックレットやレーベルは当時のものとまったく同じで、そこはちょっとどころかおおいに不満。『BLUE BLOOD』なんて、これ版下コピー起こしでないか?(失笑)。新たにライナー書き下ろしてもらうとか、秘蔵写真発掘してくるとか、出来なかったのかなあ出来なかったんだろうなあ。御大のお許しが出てないんだろうなあ。『BLUE BLOOD』なんてこれ当時はアナログでも発売されたんだから、どうせならそのデザインをそのまま紙ジャケ仕様に再現するとかさあ、しても良かったんじゃないのかなあまあお許しが出てないんだろうけど。あと、今回は2枚とも帯がついてません。



それにしても歳月とはおそろしいもので、18年前にはなんじゃあこりゃああこの馬鹿みたいに速くて重くて騒々しい、これは音楽か!? と泡吹いてひっくり返ったアルバムでしたが、今聴くと案外普通なのね(笑)。普通というか、クラシック。この場合は〝古典〟の意味合いで。ものすごく音詰め込んでるイメージがあったけど、今聴くと意外とそこまででもなくてけっこう隙間もある。もちろん時代もあるだろうし、私が歳食ったせいもあるし、そりゃあ18年の間に彼ら以外の音楽なにも聴いてなかったわけじゃないし(笑)。当時の10代の私にとっては、ほんとに刺激のカタマリみたいな音だったんですけどね。
でもね、やっぱりかっこいいです。再確認。音楽の格子がしっかりしている、普通にロックの〝古典〟としてちゃんと鑑賞に堪えうる音だ。で、それはメロディがちゃんとしたいいメロディだからだと思いますです。やっぱりさーメロディは不変であり普遍でありますよ。本当にいいメロディってのは、色褪せないもんなのだなあ。
昔はただ臭いだけに聴こえてあんまり好きじゃなかった〝Endless Rain〟が、今聴くとたまらなくよいです。オーケストラとかでこれでもかとばかりにゴテゴテさせてしまった後年のバラード群に比べると、ずいぶんシンプルでいっそ素朴なくらいなんですが、それがむしろ良い。イントロだけで、ちょっとうるっときてしまったですよ何てこったい(失笑)。あとやっぱり〝CELEBRATION〟と〝MISCAST〟大好き。
あ、なんだよカラオケディスクとかいらねってんだよんなもんつけるくらいなら本編1枚だけで単価下げるか未発表ライヴ映像でも発掘してきてDVD付けろってんだまったく金に汚えな○ニーって会社はよ、ぺっぺっ!と一部に大変に不評だった、いやまあ一部つーか私にな(笑)、DISC2のインストゥルメンタル・ヴァージョンですが、会社の後輩の現役バンドマン(ギタリスト、瀧川一郎を神のごとく崇拝)にいわせると、けっこういいらしいです。バンドマン的には。楽器の各パートの細かい絡みやらなにやらがハッキリ聴き取れるので、コピーするには最強なんだとか。「ガキのころはコピーしようとして派手に自爆したけど、これ聴くともう1回チャレンジしたくなる」そうです。なるほどな、そういう使い方するのか。たしかに、ああヴォーカルの裏でこんなリフ刻んでたのかー、と楽器シロウトが聴いてもなかなか新鮮だったです。まあ、だからっつってそう何回も聴くってもんじゃありませんけど(苦笑)。




…まあなにやら再結成するとかしないとか、な話がそれなりに現場レベルで出てきている様子ですが、うーん…複雑といえば複雑なのですが、でもやっぱり、正直なところ、単発のライヴだけでも、やってくれるのであれば…見たい、かな。うん。いろいろ思うところはあっても、仮に御大がドラム叩いてなくてもTOSHIがボタンダウンのシャツにセーター肩にかけて出てきても、声が全然出てなくても、なにより上手にいるべき人がいなくても。…いやね、意外ともし再結成なんてことになったら、1番喜ぶのはヒデちゃんじゃないのかなあなんて思うのですね。ていうか、むしろあの人のことだからきっとあの世で地団駄踏むくらいにうらやましがって、当日ステージに化けて出てくるんじゃないかと思う(笑)。
(その前に、御大がひとことヤだっていったらあっさり流れちゃう話ではあるんですが。まあ、夢見るだけならタダだしな)